自由ではないよ、フリーランスは闇深い。

私は会社員時代、フリーランスと聞けば「かっこいいなぁ」「すごいスキルがあって凄い人たちなんだな」と、どこか遠い世界のように思っていました。そんな私は現在フリーランス(個人事業主)です。いつの間にかなっていました。体験している最中だからこそ言える、フリーランスは思っているほどかっこいい働き方ではない

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収入源を作らなければならない

会社員の時は、会社に行けばお金はいただけていました。一定時間、そこで仕事をすれば決まったお金が支払われます。組織としてのシステムですね。しかし、フリーランスには決まりきった概念がありません。組織には属していないため、すべてが自分管理です。ちなみに自由にはつながりません。時間も、場所も、仕事も、お金も、何もかも。一言でいってしまえば『ストリート』そのものです。

収入に上限がないというメリット

逆に、いい点があるといえば、収入源に上限がないことでしょう。とはいえ、現代は会社員も副業が当たり前になりつつある時代です。フリーランスの特権はますますなくなってきました。それに、時間は有限です。時間が必ずしも仕事やお金に換算されるとは限りませんが、自分のキャパシティや自己マネジメントがわかっていないと潰れやすいです。

この時点でいうのもあれですが、今どきフリーランスを選択するのは少し疎かにすら思えます。インボイス制度も始まりましたからね。勝てる勝算がある程度なければ、もはやお得感はないかなと。

適格請求書(インボイス)とは、
売手が買手に対して、正確な適用税率や消費税額等を伝えるものです。

引用元:国税庁HP https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/zeimokubetsu/shohi/keigenzeiritsu/invoice_about.htm

自由そうで案外ない、時間

フリーランス やめとけ

フリーランスは一人社長も同然です。誰かに時間を強要されることありません。ですので、好きな時に仕事をするという選択は可能です。しかし、ここは魅力的でもあり罠でもあります。なぜなら、バランスを取るのが難しいから。

私の場合、忙しい時は朝起きてすぐにPCをして、気がつけば真っ暗になっていました。急ぎの件があったからです。これはまだ良いのですが、たとえば出先中、関係先から至急対応の連絡がありました。出先であることを伝えても、そんなこと知ったこっちゃないのです。この時、私は確信しましたね。フリーランスは都合のいい駒だと。

こういうことが頻繁にあると、外出中はともかく、旅行中でも落ち着きません。連絡がまた来るのではないか・・・等、どこか意識が散漫し、不安を感じます。私の仕事内容や、業務委託先次第な話だとは思いますが、時間は自由ではないというのが本音です。むしろ、精神的な拘束を感じますね。

何気ない人との交流が激減する

フリーランス やめとけ

会社員時代は、会社に行けば何気ない話も時折していました。コミュニケーションの一環ですよね。これの良し悪しはともかく、何気ない会話が一切なくなるのがフリーランスです。基本は一人仕事です。しかも、家で仕事をすることもしばしば。自由であり、ふと慣れた頃には寂しさを感じてきました。孤独なんですよね。

会話はやはり楽しいもの

人は人との交流あってこそ、温かいものが生まれる気がします。何気ないからこそ、実は大切なことだったとも。その重要性に今になり気付かされました。

「人それぞれですよ。仕事に温かみとか、必要ないんで」という方もいらっしゃるでしょう。私もむしろそっち側の考えでしたけどね。しかしですね、人は変わるものです。経験から学びます。一人暮らし、家で仕事、フリーランス、会話なし、時間と精神の拘束、これらがあると結構寂しい思いはしますよ

スキルアップの環境がない

フリーランス やめとけ

学びの機会を補助してくれるような、資格取得制度や研修ってありますよね。今思えばありがたいことです。会社がお金を出してくれるというサポート制度、まさに人材ならぬ人財だからこそできる投資ですよね。しかし、フリーランスにはありません。会社の一員ではないので、育てていくという意識はそもそもないでしょう。それは自己管理でお願いしますは基本です。

自分からいかに学んでいくか

むしろ、スキルがあって当然という程で仕事の依頼をするものです。これぞプロフェッショナルと認められていることでもあり、同時に金銭的なキツさもついて回る時があります。フリーランスの人だって、仕事をとっていくためにはスキルアップは必要ですからね。おまけに、元々が意欲高めかと。常に勉強の日々です。

交渉がなかなか効かない

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これは私が特に実感した、交渉の難しさですね。私は長期的な契約と成果を踏まえて、契約更新時に報酬アップの交渉をしたときでした。実績を提示しながら、それとなくお尋ねしてみたものの、玉砕でした。会社側からすれば、報酬アップをする必要がないでしょうからね。

フリーランスは人財として見られない

代わりはいるのだからという、人財としての観点がないのも一つかもしれません。ある意味仕方のないことですが、この時私はいろいろと悟りました。同時に、悲しさを感じました。

ここで私が学んだのは、代わりの効かない人になることの必要性でした。これは、フリーランスである以上は制限があると思っています。みんながみんな、需要ある突き抜け方ができるわけではない。

フリーランスはストリート

一般市民な自分では、ストリートの中で代わりの効かない人になるというのは奇跡の話でした。特異点です。ストリートでは難しいのです。だからこそ。置かれた場所で咲くことの重みを感じました。

こういった意味で、会社に所属していれば自分のポジションというものはすでにあるのです。それが、置かれた場所で咲くという本質。会社員の特権ですよ。本人の努力次第なところもありますが、置かれた場所で咲くことを体現するのにぴったりなんですよね。だから、交渉もしやすいかと。

社会的信用が低くなりがち

フリーランス やめとけ

賃貸物件を探していた時です。本契約となる前に、まずは審査がありますよね。私はこの審査で一度落ちたことがあります。審査が落ちる原因はいろいろあるのかもしれませんが、10年間の一人暮らし経験で審査落ちははじめてのことでした。その中で変わったことといえば、フリーランスか会社員かどうかの違いくらいです。

会社員のような保証はない

一概にはいえませんが、フリーランスは安定性がないのも特徴です。毎月固定な金額ではありません。よく言えば、稼げる時は稼げる、しかし稼げない時は稼げない。ここに「大丈夫か?」と不安を感じるオーナーさんはやはりいらっしゃるかと思います。悲しいですが、賢い選択だとも思えます。

社会保険や家賃手当、福利厚生がない

フリーランス やめとけ

ここが結構痛いですよね。私が会社員時代、すべてではないですが家賃手当がありました。特に20代の一人暮らしにとってはとてつもなく大きいです。すごくありがたいです。今思えば、あの頃はお金が貯まっていきました。安定はしていたと思います。

税金や手当の差は痛い

社会保険は雇用形態関係なく、すべての国民がはいる国の制度ではありますが、金額は異なってきます。会社に属すれば、半分負担で済みます。手厚いですよね。フリーランスは全額です。しかし、前年度の確定申告次第では随分とお安く済ませることもしばしば。納税に振り幅があるということです。

経費の管理や確定申告が面倒

フリーランスにとって、1〜3月は気が重くなりがちです。確定申告があるから。私はこの時に1年分の経費の入力などを一気にします。ですので、結構疲れますね。本当は定期的に入力していけばいいだけの話なのですが、マメさがないため。

確定申告は難しい

それもありますが、確定申告ってどうやるの?といった理解の低さから手をつけられませんでした。フリーランスになる前まで、確定申告は別世界のことだとばかり思い、何をどう申告するのか、何一つわかっていませんでした。むしろ確定申告2年目の時に、ほんの少しだけ理解してきたという段階です。もう、ひたすらに難しいです。税理士さん、儲かるわなと思い馳せます。

私にとって、フリーランスとは

フリーランス やめとけ

ここまでお読みいただいて、お気づきだとは思いますが、「フリーランスはやめとけ」ということ。マイナスな雰囲気ばかり出てしまいましたが、これが現状のリアルな話です。フリーランスの最大の特徴である『自由』ですが、実のところ自由はではないと思っています。仕事が何でもかんでも選べる立場であれば、別ですが。

フリーランスの自由は幻想

実際、そのような人はほんの一握りです。こういった方は起業の道にいくでしょう。それができないのがフリーランスです。天と地ほどの格差があります。フリーランスは自分で何かを立ち上げるには、いささか才能と度胸が劣ります。所詮は一般人。自由は幻想。

どう考えても、都合のいい人というイメージがありますね。自分でも体験しながら思います。「私、都合のいい人だよなぁ。便利だよね」と。時間に制限がありませんから。時給契約ではないため、時給で換算すると恐ろしく安い時すらあります。また、夜中だろうが何だろうが、連絡が来ても文句の一つも言えない立場です。むしろ、積極的さあってこそのフリーランス。

フリーランスはストリート

一歩ストリートに出れば、自分を守ってくれる人はいません。たった一人で出てきたのですから。会社という大きな盾がなくなった今、違法ギリギリを遂行する人すらいます。怪しいなんて人はしょっちゅうです。労基法なんて、関係ありません。契約がすべてです。その権限は業務委託先にあります。解釈次第では、それすらもストリート。ここを拒むのであれば、必要のない人です。

それでは生きていけないフリーランスは、必死にいい顔をつくって、集中力をもって仕事にフルコミットし、会社員以上のクオリティをもってお渡しするような高いレベルが求められたりもあります。早さが重要なのです。ついで、レベル。プロフェッショナルですからね。依頼があれば即対応。なんていい人材でしょう。それでも、人財にはなり得ないのです。

【唯一よかったこと】行動力と精神力

フリーランス やめとけ

ここで話を終わりにさせるのは、後味が悪いものです。フリーランスをお考えの方は、ある種の絶望すらあるでしょう。確かにフリーランスには特有の闇がありますが、それでもよかったなと思うことがありますよ。それは、異常なまでの行動力と精神力が磨かれたことです。

何度も述べていますが、フリーランスは自分から動いていかなければ仕事をもらえません。もちろん、自分の仕事そのものをしていくのならば、外部契約は必要ないでしょう。しかし、ここが出来るのは一握りです。

また、仕事をいただいたあとも、価値ある提供をし続けないと価値を感じてもらえないものです。すると、「私は何ができるのかな」と行動に行動を重ねていくわけです。積極性が磨かれます。むしろ、ここなしにフリーランスは続くわけがありません。

精神力が鍛えられる(弱いと苦しい)

そしてもう一つ、精神力が鍛えられたことです。ストリートなので、もはや泣いても喚いても、味方になってくれる人はいません。嫌ならば辞めればいいだけですから。思っている以上に厳しい世界です。話を聞いてくれる人はいませんし、むしろそういった相談は迷惑です。業務委託先は、依頼した仕事を全うすることを望んでいるからです。泣き言は必要ないのです。

毎日泣いていたけれど

フリーランス やめとけ

記憶を消してもう一度この経過を体験したいとは、とてもでないけれど思えません。フリーランスになりたての3ヶ月間は、毎日泣いていた気がします。自分の未熟さ、求められる仕事のレベルと早さ、コミュニケーションがとれない中でも業務遂行、諸々。

しかし、これもギリギリ20代のうちに味わえたことが貴重な経験でした。厳しい経験があったからこその、今の私なのです。フリーランスは修行です。ある意味、プライスレスな人生の学びでした。

この記事を書いた人

しげくに さき
しげくに さき
平成5年生まれ。東京都生まれ、地方育ち。

栄養学科の大学を卒業後、事務職で転職を繰り返す。しかし、「やりたいことがない」と未来へ漠然とした不安を抱える。自分とは何者なのか、20代のほとんどを自己分析にあてる。

28歳の時に自分探しではなく、「自分の能力を発揮する!」と行動で勝ち取ることを腹に決め、好きで得意な「書くこと」へと挑戦する。

クリエイティブな仕事へと方向転換し、月刊編集部で書くことや企画に携わる。その後、フリーランスとして独立。コピーライトを得意とし、セールスライトやプロモーションをメインに活動中。文字に魅力や訴求、想いすべてを集約させることがどうしようもなく楽しいと実感中。

「人は誰もが何かしらの才能を持っています。それを仕事にしていいし、遊び心をもってもいい。行動して、何者かになっていくことがスタート」

『仕事×遊び=書くこと』というタイトルで、2024年2月よりブログ始動。
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